映画「トレインスポッティング」で有名なダニーボイル監督の2009年度アカデミー作品賞をはじめ最多8部門を受賞したという話題作。いまさら観ました。
マフィア、人身売買、詐欺、テレビ司会者。卑怯なことをしてのし上がることが当たり前の社会。主人公は最後まで曲がらずにに生きようとし、それを観てじれったさを感じつつ、純真な主人公をつい応援してしまう映画でした。
同じような映画でブラジルの「シティ・オブ・ゴッド」を思い出したが、 テーマ的に真逆。「スラムドッグ$ミリオネア」にはハートがあるよ。インドが好きになります。タタ買おうかと思いましたから。
現代インドを知るドキュメント的映画
インドのストリートチルドレンをたまにTVで報じられてるけど、ITビジネスが軌道に乗った様変わりした最近のインドの様子には驚いた。近代化とスラム化が同時に進んだ混沌とした街。インドと言えばガンジス川と寺院とカレーライスしかイメージがなかったけど、あのまま近代化していくとインドオリンピックも近いんじゃないかと思った。都市化が進む一方で、大気や河川等の環境汚染が進むどろどろしたスラムと貧富の差がますます広がるダークなインドが、黄と青のトーンでとても美しく撮られていたのが印象的でした。インドの存在感がガッツリ伝わります。
最後にオールスターがダンスするエンディングがあるんだけど、あれをやるってことはインド国民に特に観てほしいってことかな。印英合作映画ということから珍しいけど、タタ自動車とかの最近の印度経済の躍進からして、どんどん近代化していくんでしょうかね。
「チャーリーとチョコレート工場」とおなじく、最近見かけない「正直者が幸せをつかむ」テーマがいままた現実味を帯びているのは、やはり貧富の差が現実だからでしょう。そしてズルしたヤツが勝つ、って公式も。
余談ですが、過去に「インドカリーダイニング」っていう飲食店のメニューや電飾看板のお仕事をする機会があって、インドのキッチュでスイートなイメージを湧かせるべく、インドの画集を何冊か買ったことがあったっけ。街の印刷物や看板、広告、玩具、フォント、かわいいチープデザインでツボだったなー。